赤穂緞通製作所 工場の一部
出典:赤穂市立美術工芸館 田淵記念館発行 企画展図録「赤穂緞通」より
緞通(だんつう)は、中国をルーツとする厚手の織物。日本では、鍋島緞通(佐賀)、堺緞通(大阪)、そして赤穂緞通が「日本三大緞通」と呼ばれています。赤穂緞通は、中国の織物の美しさに感動した一人の女性が、30 年近い試行錯誤の末に考案。繊細な文様や柔らかな手ざわりは明治天皇の目にも留まるところとなり、一時は海外にも販路を広げました。
しかし、戦争の影響で緞通場は相次いで閉鎖。戦後の高度成長期に入ると、手作業の緞通業は衰退の一途を辿ります。消えゆく伝統技術を後世に伝えるため、赤穂市は、赤穂緞通最後の織り子による講習会を開設。絶えかけた伝統工芸品 赤穂緞通は、伝統への敬意と新しい発想を持つ担い手によって復活を果たしました。
例えば音楽や絵画などの芸術も、伝統文化やものづくりの技術も。本当によいものは、流行に左右されることなく、時をこえて愛され続けています。赤穂緞通もその一つです。
江戸時代末期に考案されてから約150年。原料の綿花が手に入りにくくなった戦後や、織り手がたった一人になった時代を乗り越えて、今なおその文化は受け継がれています。素直にすごいことだと思います。自分のルーツに導かれるように、私の緞通制作は始まりました。織元を営んでいた私の祖母を含む、先人たちが積み上げてきた時間と技術を受け継ぎ、次代に伝える「歴史の紡ぎ手」であることに感謝と誇りを持ちながら、これからも日々精進していきたいと思っています。
赤穂緞通工房 ギャラリー 東浜
池上 和子
「ギャラリー東浜」の一室をレッスンスタジオに、海外で活動していた講師が、マンツーマンでレッスンを行っています。トランペットは初めてという方、楽譜が読めない方も大歓迎です!希望があれば、英語でのレッスンも可能です。